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carpe diem

フランスに留学中。健康で文化的な生活を目指す。

はじまりの一週間

早いものでフランスに来てから三週間が経過した。

ようやくカルトブルーがもらえて、SIMを買うことが出来た。

携帯電話の契約にはRIBとパスポート、住宅証明があればよいと聞いていたので、お店で「カルトブルーもないとダメ。義務」と言われてびっくりした。最近変わったのかな。

銀行口座の開設をしてカルトブルーが届くまで約二週間。長かった。滞在先のマダムとの連絡手段が置手紙くらいしかなくて、友達と遊ぶときは特に苦労した。家の外で連絡がリアルタイムで取れるというのは最高。こちらで購入したスマホはもちろんSIMフリーなので今後海外に行くことがあったら使えそう。一時帰国のときはこのスマホに日本の格安SIMを入れて使うつもり。

 

月曜から語学学校の授業が本格的に開始した。日本でB1を受けて一応合格して来たのだけど、クラス分けテストで失敗してA2のクラスになってしまった。(ネットの情報だけど、フランスで受けるDELFと外国で受けるDELFは難易度に差があるらしい。)

世間でよく言われている「日本人は文法や読みはそこそこ得意だけど会話が圧倒的に下手」ということを痛感している。A2の授業も聞き取りや会話はすこし難しく感じるところがあった。文法は簡単で、短い文章を書いただけで褒められた。

 

今回の留学の目標として「後期は大学の授業に登録して試験も受ける。上手くいったら単位認定してもらう。帰国後はB2を取得する」と決めていたので、A2のクラスでは間に合わないと思いクラス変更をすることにした。

先生にその旨を伝えると、「A2とB1の間にはレベルの差がかなりあって難しいと思う。特に日本人にとってフランス語は難しいし……。明日の先生にもう一度頼んでみて」

と言われた。二人目の先生に、仮合格証を見せて同じことを伝えると他の先生と話し合ってみるとのこと。その後、「B1に合格しているし、他の先生も変更して構わないということだったから、今すぐにでも変えていいよ」と言ってもらえた。諦めずに言ってみるものだなと思った。 

金曜から一つ上のクラス、B1の授業を受けたのだけど、めちゃくちゃ楽しかった。クラスメイトが全員、授業中にフランス語を話してる!!!って感動した。下のクラスに行くほど英語で会話する人が増え、授業中の話し合いの時間でさえ英語が飛び交う。2年生まではすこし英語の勉強をしていたのだけど、留学しようと決めてからはフランス語しか触れてこなかったので、今は英語が分からない。分からないというか、フランス語と混ざる。すぐに単語が出てこなくなってしまった。(フランス語がある程度使えるようになったら今度は英語を頑張りたい)

語学のクラスは難しいなと感じるくらいがちょうどいいという持論があるので今のクラスで頑張ろうと思う。授業についていけなくてレベルを下げろと言われないようにしなきゃ。

 

 今週はいろんなことがあった。ある日の放課後は、友達の運転する車で少し離れた街に行った。そこはとても綺麗な街で、日曜日にはアンティークのマルシェが開かれるそうなのでまた行ってみようと思う。

どこを切り取っても(構図が下手でも)絵葉書みたいな写真になるから素敵だなと思う。夜はどこかロマンチックな雰囲気になっていてよかった。いろんな人と一緒に行きたい。

 

お盆頃からアイルランドインターンシップ中の妹が私の滞在先までやって来た。休暇が取れたらしい。約一か月ぶりの再会。金曜、土曜とこちらに泊まって、今日の(日曜)朝にパリへ向け出発していった。日曜日はパリを観光して、月曜日はロンドンを回るらしい。強行軍。

そんな妹に私の留学先を紹介した。紹介と言っても住んで日があまり経っていないので、現地の人におすすめのお店を教わった。

手打ちパスタのお店。フランス人のパスタは茹で過ぎていて、アルデンテに慣れてしまった私たちには少し違和感がある。しかし、ここのお店はしっかりアルデンテだった。そして、モッツアレラチーズとトマトの組み合わせはやっぱり間違いなかった。ランチにしては少し高いかな?と思う値段だが、観光客として食べる分にならいいかも。

ちなみに55€で買ったスマホでパスタの写真を撮ったのだけど、わりといい感じに撮れたと思う。

その後はアイスを食べたり美術館に行ったり、少しだけ観光をした。

そして、今朝、妹は出発した。朝早い電車に乗るとのことだったので、駅まで送り、代わりに切符を購入し、駅で時間を潰しているといかにも危なそうな雰囲気の青年グループに妹が絡まれていた。「おい、中国人」と声をかけられ、絡まれたので逃げた。他にも人種差別的なことや侮辱することを言われてたように思うが、幸か不幸か全てを理解するだけの語学力がわたしにはない。ホームは暗く、人影もないので比較的人の多い待合室に行くことにした。すると、入り口の方から大声が聞こえた。すぐさま振り向くと、先ほど妹に絡んでいた青年たちが、一人の男性に殴る蹴るの暴行を加えているところだった。瓶を使って殴打する者もいた。今までの人生でそういう物理的な暴力を目の当たりにするのは初めてだったから精神的にかなりショックだった。本当に怖かった。もしかしたら、自分や妹が被害者になっていたかもしれない。すぐに警備員が来たので、大事には至らなかったが怖いものは怖い。そして、これから二日間一人旅をする妹のことがさらに心配になった。NYでは爆発事件が発生したし。どうか無事に帰宅してほしい。アイルランドにも日本にも。

今朝のショックが未だ残っていて、道端で声をかけられるとすごくドキリとする。礼儀正しく、道や電車の行き先について質問してきた人を冷たく対応してしまった。その人たちは全く関係ないのに。一つの出来事を拡大解釈して、特定の年齢層や見た目の人物を区別・差別したくないのに。

 

今日は一日ぼーっと過ごそうと思っていたら、マダムに「映画館に行く?」と聞かれて、楽しい映画だと思い込んで二つの返事でついて行ったら、実際はすごいしんどい映画で、いまとてもつらい。ミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』を観て、一週間病んでたときと同じくらいしんどい。でも、つらい映画は嫌いになれない。重いテーマの映画を観て苦しめられるのは嫌いではない。

観たのは『FREE STATE OF JONES』という映画。日本では公開日未定らしい。観た感じでいうとユーロスペースとかシネマカリテとかで上映しそうだなって思った。

本作は南北戦争下、アメリカ南部出身の農夫でありながら南軍に反旗を翻し、ミシシッピ州ジョーンズ郡に“ジョーンズ自由州”を設立しようとした実在の人物、ニュートン・ナイトを主人公とするアクション大作。

(映画ナタリーの以下の記事より引用)

natalie.mu

 

後半にかけてどんどんつらくなって泣いていた。マダムも泣いてたけど。初期のKKKが出てくる辺りは本当にきつかった。内容を全部理解したいから日本で公開されたらもう一度観たいという気持ちと、しんどい思いはこれで十分だという気持ちがせめぎ合っている。なんで一日にこんなたくさん暴力シーンを見なくてはならないのかと思ったけど、知らない単語や表現をすこし覚えられたので良かったと思うことにする。映画代はありがたいことにマダムが出してくれたし。

 

ようやく本格的に留学生活が始まった。今までの日々は留学生でもなく、地元住民でもない中途半端な立場で送っていたように感じる。どこにも所属できない宙ぶらりんな状態はやはり疲れる。フランス人の知り合いが増える度に、行ったことのあるお店が増える度に、「いま、わたしはここの住人なんだな」という実感が沸く。

 

雨が降った日から気温が下がってしまい凍えている。秋を飛ばして冬が来てしまったような感じ。風邪をひかないように気をつけなきゃ。