carpe diem

フランスに留学中。健康で文化的な生活を目指す。

OFIIと滞在許可証と

あっという間に10月中旬。そろそろフランスに到着して2ヶ月が経過してしまう。到着したときは半袖でも暑かったのに、今ではすっかり秋(というか冬)になってセーターにコートを装備しないと外に出られない気温になってしまった。南仏特有のミストラルと呼ばれる北風が寒いのなんの。これのお陰で雲一つない真っ青な空が見られるらしいのだけど、肌寒くなってからの北風はつらい。これから冬になるにつれて気温がどんどん下がるのだと思うと憂鬱である。

 

8月の終わりに書類をOFIIに送ってから一ヶ月半弱。ようやく滞在許可証を手に入れることが出来た。この手続きは入国してから3か月以内に済ませないと違法滞在とみなされるのでなるべく早く済ませたかった。

今週の火曜日、18日に手続きを完了させるためにマルセイユに行ってきた。周りの人の話を聞くと近くの県庁で手続きができるらしいのに、何故かわたしはマルセイユに呼び出されてしまった。一人で全く知らない街(しかも外国)を歩くという経験は初めてだったので前日の夜は緊張してよく眠れなかった。パリに次ぐ大都市なので、それなりに軽犯罪は多いだろうなとも思っていたし。

当日、寝坊したので急いで駅に向かうと乗る予定だったTGVが40分遅延してるとのこと。そういえば起床後寝ぼけながら確認したメールに「機械トラブルでダイヤが乱れるかも」って書いてあったかもしれない……と思い出す。

おそらく日本だと駅員さんに詰め寄っている人や電話で謝っている人、タクシー乗り場に集まる人々等がいると思うのだけど、フランスではそういう人はいなかった。「も~!またかよ~」みたいな感じで、みんな適当に時間を潰していた。

それを見ていてわたしも「まあ、電車動いているからいいか……」みたいな気持ちになって、ホストファミリーが貸してくれた本を読んでいた。

TGVでは4人掛けの席に座ることになってしまい、わたし以外の3人が同じグループだったので気まずい時間を過ごした。

途中、「50セントを恵んでください」と車両を回って来た人にはびっくりした。細かいことは聞き取れなかったけど、数ユーロ必要だから一人50セントずつ恵んでくれとのこと。こういう人は滞在先の街でもいるのだけど、電車内にもいるとは。道端とは違って逃げ場がないので困った。結局お金は渡さなかったのだけど、もやもやした気持ちが残った。こういった状況でお金を渡すべきなのか、渡すべきではないのか、分からない。

そんなこんなで予定より40分強遅れてマルセイユに到着。前日は雨が降っていたので天気が心配だったが、その不安は杞憂だった。

 

めちゃくちゃ天気がよい。(写真にある観覧車は回転が速い上に窓も壁もないカゴみたいな作りなので高所恐怖症でなくても怖い)

指定された時間まで少しだけ時間があったので、Vieux Port(旧港)と呼ばれるところで昼食を食べた。牡蠣やムール貝を食べようかとも思ったけど、一人で食べきれるか分からないのでモロッコ料理を食べることにした。(ご存知の通り、マルセイユはアラブ系アフリカ系の移民が多い街である)

 「Le souk」 というお店。

www.restaurantlesouk.com

マトンのクスクスを食べた。急いで食べたので写真はないけど、美味しかった。ただ量が多くて大変だった。たぶん2人分くらいあった。トッピング?の赤い唐辛子ペーストみたいなものが癖になる味だった。辛いんだけどコクが出るのでたくさんかけて汗をかきながら食べた。マトンが柔らかくておいしくてずっと食べ続けられるなと思った。

わたしが食べたのはランチセットなのだけど、セットのデザートが豪華でびっくりした。パイのお菓子とチョコレートムース。ビスケット一つとかではないのよ。しかもおいしい。観光地ということを考えても、全部で15.5ユーロは安いのではないのではないかしらん。

 

ロッコ料理を堪能したあとは急いでOFIIへ。最寄りのメトロの駅からOFIIへの道が分からなくて、ちょっと駅周辺をうろうろした。近くのベンチで本を読んでいた老紳士にと声をかけると、嫌な顔ひとつせず教えてくれた。しかも、近くのお店の店員さんに確認までしてくれた。わたしも日本に来た外国人に優しくしようって思った。

親切な老紳士のお陰で指定時刻の5分前にOFIIの前に到着することができた。既に扉の前には大勢の人が集まっていた。やはりアラブ系とアフリカ系が多い。アジア人は私を含め5人ほどしかいなかった。

 

持って行ったものは以下の通り

・パスポート

・呼び出し状

・住居証明(ステイ先のマダムが書いてくれた。あとマダムの身分証明書のコピー)

・証明写真

・58ユーロ分の収入印紙(ネットで購入して印刷した)

基本的にはこれだけでいいのだけど、このほかに

・英文の診断書

・予防接種歴

を持参した。

 

受付を済ませると次はレントゲン撮影。レントゲン撮影が終わると次は看護師さんによる予防接種歴の確認。わたしはあらかじめ用意していたのでスムーズに終わった。その後、身長と体重測った。なんと身長が1センチ伸びていて笑った。あと少しで170センチ台に突入する。喜んでいいのかな。

最後は、医師による先ほど撮ったレントゲン写真を用いての健康診断。たばこを吸っているかの質問された。あとは手術を受けたことがあるか、病気にかかっているかどうか。持病があるので主治医に書いてもらった英文の診断書を渡すと病名と服用している薬を記録していた。そして血圧を測ってもらい、健康診断はおしまい。

その後は受付で持参した書類を提出した。その時に、ビザが切れる後もフランスに滞在する予定があるかどうかの確認をされた。すべて問題ないということでパスポートにシールを貼ってもらえた。これで手続きが完了。無事に終わってよかった。

手続きにかかった時間は1時間半ほど。日本で通院している病院では一回行くと大体2~3時間かかるので早く感じた。

 

帰りのTGVまで時間があったので少し観光することにした。

有名なBasilique Notre Dame de la Gardeという大聖堂に行くことに。高台にあるのでバスで行った。車一台が走るのもギリギリの細い道をバスが走るので冷や冷やしながら乗っていた。途中で車とすれ違う時は接触しないように祈ってしまった。この大聖堂が終点らしく、ずっと乗っていれば着く。旧港からだと60番のバスで行ける。

中はとても派手。好き嫌いが分かれると思うけど、わたしは好き。航海の安全を祈願して正面には船の絵が描かれている。

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この大聖堂からはマルセイユの街を一望できる。この景色がとても綺麗で、風が強かったけどしばらく眺めていた。綺麗な色。海で泳ぐのは好きじゃないけど、海を眺めるのは好きだなと思った。なんか、よくわからないけど、世界は小さいようで大きくて、大きいようで小さい。

大聖堂のあとは街を散策して洋服を買って帰宅。ずっと気になっていたCOSに行けたので大満足。

一日中歩いていたのでステイ先に着くころにはへろへろだった。玄関のカギを開けて、ホストファミリーの顔を見たらすごくほっとした。家に帰って来たんだって思った。この感覚は今までなくて、今回が初めてだった。だんだんこの街に、ステイ先に馴染んでいるってことなのかなあ。

フランス語能力の推移(一ヶ月目)

南仏に交換留学生として来て、一ヶ月が経過した。留学終了時に、生活に困らないレベルのフランス語能力(行政手続きが一人で行えるくらい)を手に入れるために毎日ヒイヒイ言いながら勉強している。そんなわたしのフランス語能力の推移を一ヶ月毎(?)に記録していきたいと思う。

なにか一つの言語を習得できたら、その勉強方法は他言語の習得の際にも役立つと思う。フランス語がある程度使えるようになったら(というか本帰国したら)英語も頑張りたいので、その際に参考にできたらいいな。

 

留学前のフランス語能力

大学の第二外国語として選択。最初はあまり真面目に勉強するつもりはなかったが、好きな(推している?)先生が仏検三級用の授業を持っていたので、二年時になんとか仏検三級を取得。二年生の後半あたりからフランス語って面白いかな?と思い始める。

その後、一ヶ月弱のフランス語研修に参加する。旅行でフランスに行くよりも参加費が安いし単位も手に入るという軽い気持ちで参加。ホームステイしながら三週間現地の語学学校に通った。語学学校のクラスはDELFのA2レベルだったと思う。この語学研修がとても楽しかったので、なんとなく留学したい。もっと話せるようになりたいという気持ちになる。

語学研修後、本格的にフランス語を勉強し始めて三年春に仏検準二級取得。夏休み中にアテネフランセの夏期講習に通う。三年秋に仏検二級を受験するが不合格。

三年の春休み~留学前までアンスティチュ・フランセに通う。

留学前に、なんとか仏検二級とDELF B1を取得して渡航。おそらくレベルとしては、DELF A2+って感じ。

 

一ヶ月目(8/25~)

フランスは二回目だけど、一人で海外に行くのは初めて。CDG空港で水と食料を買おうとしたら、店員さんに言葉が通じず焦る。ステイ先のマダムと初めて会ったときも、会話が成り立たなくて泣く泣く英語を使ったりした。その後もマダムや大学の事務の人と話していても聞き取れない、言いたいことが言えないという状況が長く続く。

到着後、2週目から語学学校が始まる。現在はB1レベルのクラスで学んでいる。欧米人と比べて圧倒的に会話ができない。このことがコンプレックスに感じる。そして、語彙力不足を感じる。試験ではわからない単語は文脈から意味を類推していたが、授業ではそんな時間はない。知っている/知らないで大きな差がある。これは会話でも言える。会話中に分からない単語があったとき「○○はフランス語でなんというのか?」という質問も可能だが、それを何度も繰り返すわけにもいかない。

 聞き取りに関しては到着時に比べて上達している(耳が慣れた?)と感じるが、話すことは相変わらずだめ。まだ頭の中で日本語を介さずに話すということが出来ないので、言葉にするのに時間がかかる。話しても使えるフレーズや表現が少なく、クラスメイトと比べてたどたどしい。

映画は字幕なしで観て、ストーリーを追うのでやっと。仏語字幕有で30~50%の理解というところ。映画鑑賞が学習に役立っているのかは分からないけど、気分転換になるし、話のネタにもなるし、いいと思う。もっともわたしは映画鑑賞が趣味だから学習のためと思っていないけれど。

 

やっぱり語彙力がなくて出来ないこと(会話、作文etc.)が多いので二ヶ月目は語彙力強化に努めたい。様々なブログで見かけることなのだけど、フランス語が理解できるようになってくるのは基本単語3000語(?)を覚えた頃からだそうだ。たぶん今のわたしはそこまで覚えられていない。毎日のノルマを決めて12月までには全て覚えてしまいたい。

 

前期終了まで(一時帰国まで)二ヶ月ちょっとしかないと気が付いて焦る。10月下旬にバカンスが一週間あるので、授業を受けるのは実質二ヶ月といったところか。一時帰国までに少しは成長した・上達したと実感できるようにしたい。年末年始日本に帰ったら、会いたい人たちに会えるし、食べたいものも食べられるからそれまでは頑張るぞ。同期の友人たちと一緒に卒業できないのは寂しいけど、寂しい思いをする分成果を出してやる。時間があるときに、大学卒業後の進路について考えられるといいなあ。就職するにしても進学するにしても、いずれにせよ早めに情報収集しなくてはいけないし。親に相談しなければならないし。

はじまりの一週間

早いものでフランスに来てから三週間が経過した。

ようやくカルトブルーがもらえて、SIMを買うことが出来た。

携帯電話の契約にはRIBとパスポート、住宅証明があればよいと聞いていたので、お店で「カルトブルーもないとダメ。義務」と言われてびっくりした。最近変わったのかな。

銀行口座の開設をしてカルトブルーが届くまで約二週間。長かった。滞在先のマダムとの連絡手段が置手紙くらいしかなくて、友達と遊ぶときは特に苦労した。家の外で連絡がリアルタイムで取れるというのは最高。こちらで購入したスマホはもちろんSIMフリーなので今後海外に行くことがあったら使えそう。一時帰国のときはこのスマホに日本の格安SIMを入れて使うつもり。

 

月曜から語学学校の授業が本格的に開始した。日本でB1を受けて一応合格して来たのだけど、クラス分けテストで失敗してA2のクラスになってしまった。(ネットの情報だけど、フランスで受けるDELFと外国で受けるDELFは難易度に差があるらしい。)

世間でよく言われている「日本人は文法や読みはそこそこ得意だけど会話が圧倒的に下手」ということを痛感している。A2の授業も聞き取りや会話はすこし難しく感じるところがあった。文法は簡単で、短い文章を書いただけで褒められた。

 

今回の留学の目標として「後期は大学の授業に登録して試験も受ける。上手くいったら単位認定してもらう。帰国後はB2を取得する」と決めていたので、A2のクラスでは間に合わないと思いクラス変更をすることにした。

先生にその旨を伝えると、「A2とB1の間にはレベルの差がかなりあって難しいと思う。特に日本人にとってフランス語は難しいし……。明日の先生にもう一度頼んでみて」

と言われた。二人目の先生に、仮合格証を見せて同じことを伝えると他の先生と話し合ってみるとのこと。その後、「B1に合格しているし、他の先生も変更して構わないということだったから、今すぐにでも変えていいよ」と言ってもらえた。諦めずに言ってみるものだなと思った。 

金曜から一つ上のクラス、B1の授業を受けたのだけど、めちゃくちゃ楽しかった。クラスメイトが全員、授業中にフランス語を話してる!!!って感動した。下のクラスに行くほど英語で会話する人が増え、授業中の話し合いの時間でさえ英語が飛び交う。2年生まではすこし英語の勉強をしていたのだけど、留学しようと決めてからはフランス語しか触れてこなかったので、今は英語が分からない。分からないというか、フランス語と混ざる。すぐに単語が出てこなくなってしまった。(フランス語がある程度使えるようになったら今度は英語を頑張りたい)

語学のクラスは難しいなと感じるくらいがちょうどいいという持論があるので今のクラスで頑張ろうと思う。授業についていけなくてレベルを下げろと言われないようにしなきゃ。

 

 今週はいろんなことがあった。ある日の放課後は、友達の運転する車で少し離れた街に行った。そこはとても綺麗な街で、日曜日にはアンティークのマルシェが開かれるそうなのでまた行ってみようと思う。

どこを切り取っても(構図が下手でも)絵葉書みたいな写真になるから素敵だなと思う。夜はどこかロマンチックな雰囲気になっていてよかった。いろんな人と一緒に行きたい。

 

お盆頃からアイルランドインターンシップ中の妹が私の滞在先までやって来た。休暇が取れたらしい。約一か月ぶりの再会。金曜、土曜とこちらに泊まって、今日の(日曜)朝にパリへ向け出発していった。日曜日はパリを観光して、月曜日はロンドンを回るらしい。強行軍。

そんな妹に私の留学先を紹介した。紹介と言っても住んで日があまり経っていないので、現地の人におすすめのお店を教わった。

手打ちパスタのお店。フランス人のパスタは茹で過ぎていて、アルデンテに慣れてしまった私たちには少し違和感がある。しかし、ここのお店はしっかりアルデンテだった。そして、モッツアレラチーズとトマトの組み合わせはやっぱり間違いなかった。ランチにしては少し高いかな?と思う値段だが、観光客として食べる分にならいいかも。

ちなみに55€で買ったスマホでパスタの写真を撮ったのだけど、わりといい感じに撮れたと思う。

その後はアイスを食べたり美術館に行ったり、少しだけ観光をした。

そして、今朝、妹は出発した。朝早い電車に乗るとのことだったので、駅まで送り、代わりに切符を購入し、駅で時間を潰しているといかにも危なそうな雰囲気の青年グループに妹が絡まれていた。「おい、中国人」と声をかけられ、絡まれたので逃げた。他にも人種差別的なことや侮辱することを言われてたように思うが、幸か不幸か全てを理解するだけの語学力がわたしにはない。ホームは暗く、人影もないので比較的人の多い待合室に行くことにした。すると、入り口の方から大声が聞こえた。すぐさま振り向くと、先ほど妹に絡んでいた青年たちが、一人の男性に殴る蹴るの暴行を加えているところだった。瓶を使って殴打する者もいた。今までの人生でそういう物理的な暴力を目の当たりにするのは初めてだったから精神的にかなりショックだった。本当に怖かった。もしかしたら、自分や妹が被害者になっていたかもしれない。すぐに警備員が来たので、大事には至らなかったが怖いものは怖い。そして、これから二日間一人旅をする妹のことがさらに心配になった。NYでは爆発事件が発生したし。どうか無事に帰宅してほしい。アイルランドにも日本にも。

今朝のショックが未だ残っていて、道端で声をかけられるとすごくドキリとする。礼儀正しく、道や電車の行き先について質問してきた人を冷たく対応してしまった。その人たちは全く関係ないのに。一つの出来事を拡大解釈して、特定の年齢層や見た目の人物を区別・差別したくないのに。

 

今日は一日ぼーっと過ごそうと思っていたら、マダムに「映画館に行く?」と聞かれて、楽しい映画だと思い込んで二つの返事でついて行ったら、実際はすごいしんどい映画で、いまとてもつらい。ミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』を観て、一週間病んでたときと同じくらいしんどい。でも、つらい映画は嫌いになれない。重いテーマの映画を観て苦しめられるのは嫌いではない。

観たのは『FREE STATE OF JONES』という映画。日本では公開日未定らしい。観た感じでいうとユーロスペースとかシネマカリテとかで上映しそうだなって思った。

本作は南北戦争下、アメリカ南部出身の農夫でありながら南軍に反旗を翻し、ミシシッピ州ジョーンズ郡に“ジョーンズ自由州”を設立しようとした実在の人物、ニュートン・ナイトを主人公とするアクション大作。

(映画ナタリーの以下の記事より引用)

natalie.mu

 

後半にかけてどんどんつらくなって泣いていた。マダムも泣いてたけど。初期のKKKが出てくる辺りは本当にきつかった。内容を全部理解したいから日本で公開されたらもう一度観たいという気持ちと、しんどい思いはこれで十分だという気持ちがせめぎ合っている。なんで一日にこんなたくさん暴力シーンを見なくてはならないのかと思ったけど、知らない単語や表現をすこし覚えられたので良かったと思うことにする。映画代はありがたいことにマダムが出してくれたし。

 

ようやく本格的に留学生活が始まった。今までの日々は留学生でもなく、地元住民でもない中途半端な立場で送っていたように感じる。どこにも所属できない宙ぶらりんな状態はやはり疲れる。フランス人の知り合いが増える度に、行ったことのあるお店が増える度に、「いま、わたしはここの住人なんだな」という実感が沸く。

 

雨が降った日から気温が下がってしまい凍えている。秋を飛ばして冬が来てしまったような感じ。風邪をひかないように気をつけなきゃ。

誕生日とアクティブな遠足

今年の誕生日はたくさんの人にお祝いしてもらって幸せな一日だった。新しいフランス人の友達も出来たし(今度クラブに行く約束をした)、見た目で選んだワインは当たりだったし。先週まで死ぬほど落ち込んでいたのが嘘みたいに楽しく過ごしていた。

あまり難しく考えすぎないようにしようと思った。

現地の人と交流するようになって、もっと色んな会話がしたいという気持ちが強くなったので明日からの授業がんばるぞ~。

 

さてさて、本日は近くの街に遠足に行った。遠足と聞いたので、綺麗な場所でサンドイッチを食べるのかな?くらいの軽い気持ちで参加したら、とんでもないアクティビティに参加することになっていた。

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写真のような砂利道をただひたすら歩き続けること2時間強。日差しは強いし、空気は乾燥しているしで苦行以外のなにものでもなかった。日焼けもしたし。ショック。

お昼休憩の後に1時間くらい道路の脇を歩いた。途中、怖そうな見た目の若者に謎の液体の入ったペットボトルを投げられたのはびっくりした。彼にはスマホの画面がバキバキに割れる呪いをかけた。つらくも悲しくもないけど、ものを投げるのはやめてほしい。誰かに当たって怪我をしたらどうするのよ。

 

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途中で寄った街にあった門の装飾が素敵だった。作っているところを想像した。気の遠くなる作業だなと思う。

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今日の中で一番心が揺さぶられたのは美しい景色ではなくこの時だった。

左側にいる男の子が太鼓を叩きはじめると、中心の男性が周囲に手拍子をするように言って、周囲の人が少しずつそのリズムを刻み始める。盛り上がってきたころに中心の男性も自分の太鼓を叩いて、それに合わせて周りにいた人たちも銘々自分の楽器を鳴らし始めて最終的には通行人も巻き込んだ演奏になった。踊る人もいれば、手拍子をする人、ビデオ撮影をする人、いろんな人がいたけれど、みんな楽しそうに音楽に体を預けていた。人種も性別、年齢、そういうものは関係なかった。知らない人にものを投げられた後だったから、より一層この場面が印象的だった。

こういう言葉を使わない何かができる人はすごいなと思う。出来ないわたしは地道に言葉を覚えるしかない。

暗黒の一週間のこと

月曜から留学生向けのオリエンテーション期間が始まった。こちらに到着してそろそろ2週間。個人的にはすごく長くて、非常に厳しい日々だった。※いまは回復してきています。

恥ずかしながら、フランス到着からつい最近まで自分でも信じられないくらい気持ちが沈んでしまって、毎日のように泣いていたりしていた。(部屋に置いてあるティッシュを半分ほど使ってしまって愕然としている。日本のティッシュって安いものでもそこそこ柔らかくてすごいと思う)

美食の国といわれる国にいるのに食欲があまりなくて、一週間で3キロ体重が落ちた。美しいものや綺麗なもの、美味しいものを目の前にして感情が動かないという事実はさらにわたしの気持ちを落ち込ませた。実家に送るポストカードについ弱音を吐いてしまって、一枚送れなくなった。いま読み返すとめちゃくちゃ暗い内容が続いていて、送らなくて正解だったなと思う。

オリエンテーション期間が始まるまでは、OFIIや口座開設等の事務手続き以外何もすることがなくて、考える時間があったのも今思えばよくなかった。一つ一つのことを細かいところまで考えて、周りと比較して、また落ち込んでいた。負のサイクルに陥っていた。

帰りたいわけではないけれど、この異国の地で頑張れる自信を失ってしまったし、散々考えてた末の選択なのに留学は正しい選択ではなかったように思えた。昨年訪れて気に入っていたはずの街並みも、あまりいいものに見えなかった。無理やりでも自分の性格を変えなくてはいけないように思ってしまった。

いま思うと、本当に暗黒の一週間だった。こうして書いていると苦笑いしてしまう。

今になって冷静に考えてみると、大学の人たちは最終的な結果しか見れないし、普段の生活は私の報告書でしか知りえないし、もっと自由気ままに生活していいんだなと思った。定期券を買って映画館に通っていもいいし、近所のカフェの常連になってもいいのだ。休みになったら隣国に旅行に行ってもいいし。わたしの先輩にあたる日本人留学生たちは現地の人のようにのんびりと自由に生活していたように思う。この10か月間はわたしの好きに使っていいのだ。最終的にはB2レベルになれると思うから一学期目は自分勝手に過ごそうと思う。

つらい期間に優しい言葉をくれた人、だる絡みに付き合ってくれた人等々ありがとうございました。

 

近いうちにフランスのスーパーに売っている食材だけで日本食チャレンジがしたい。それまでに友達が出来ればいいけど、できなかったらステイ先の人と食べよう。気持ちが回復してきてからやりたいことがどんどん出てくるようになって嬉しい。

 

話は全く変わるけど、銀行から手紙が届いた。この国で自分が生活しているのだという実感が生まれた。自分の名前で郵便物が届いて嬉しいという体験はなかなかない。

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雑誌と映画館のプログラム。雑誌は表紙にもあるように1ユーロだった。安い。宣伝が多くてゼクシィみたいだなと思った。